遠洋漁業の漁師・乗組員はお金が溜まるそうだが本当のところは?



遠洋漁業の実際

 

 

日本の遠洋漁業の主なものは、遠洋カツオ一本釣り漁、遠洋マグロはえ縄漁、遠洋トロール漁、遠洋イカ釣り漁などです。

 

遠洋カツオ一本釣り漁の場合は、赤道付近の南太平洋と日本の東の北西太平洋が主な漁場になります。カツオの群を追って、伝統的な一本釣りを繰り返します。一回の操業あたりの航海は漁場への往復を含めると、30~80日以上になります。操業から戻って水揚げが終了すると、すぐに次の操業の準備をして、中2日ほどで再び漁場に行きます。

 

遠洋マグロはえ縄漁も日本伝統の漁法で、長さ200キロもある幹縄に枝縄を約3000本付け、釣っていきます。釣った魚はマイナス60度で急速冷凍し保管します。船は350~500トンの大型船になり、乗組員は20~25人となります。大西洋、地中海、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ沖などが漁場です。

 

日本を基地とする場合、1回の航海で400日にもおよぶことが多く、漁場に着くまで約1カ月間。その間は漁具の手入れをします。遠洋トロール漁は、大きな網を魚群めがけて繰り出して、魚を取り込み、ウインチで引き上げる漁法です。ハイテク機器を駆使して狙った魚群だけを捕ります。これは資源管理に基づいており、新しい漁へと移行しつつあります。

 

勤務は24時間を2~3交代制で行い、航海サイクルは2~7カ月、長いと1年という場合もあります。北半球の海、南半球の海、南極の海などが漁場です。

 

遠洋イカ釣り漁は、巨大な加工船でペルー沖など世界の海で行います。夜間に集魚灯を照らして、集まってきたイカを釣り上げます。現在はほぼ自動化されており、釣り機でどんどん釣っていきます。約1カ月前後で貯蔵庫が満杯になるので、近くの港で運搬船に積み替え、再び漁場へ戻ります。航海は8~10カ月程度になります。遠洋漁業はこうした長期戦になるのです。